レウォトビ火山の大噴火で津波なし

先日の11月7日、インドネシアのレウォトビ火山が高さ1万6000mの噴煙を上げて噴火しましたが、この噴火での津波は確認されませんでした。このレウォトビ火山は標高1703mと標高1584mの双子山ですが、地上にあるため、山体崩壊などがない限りはそれほど大きな津波は発生しないのかもしれません。

ただ、気象庁では航空路火山灰情報(VAA)に基づいて、噴煙高度15000m以上の場合には「遠地地震に関する情報」で情報提供される仕組みになっています。

便宜上、噴火の際にも地震情報で提供されるようですが、実際には地震が発生していないため、マグニチュードは不明となるようです。

過去のデータでいいますと、噴煙が15000mをこえた回数は2018年に5回、2019年に11回、2020年に5回など、数か月に1回ぐらいのペースとなっています。このうちトンガ噴火では実際に津波が到達しましたので、おそらくは数%程度の確率で津波は到達するものと思います。

いずれにしても、実際に到着しそうな場合には津波警報などが発令されるものと思います。

結局、このレウォトビ噴火は特に問題はありませんでしたが、それ以上に気になったのは、この噴火の4~5時間ほど前、以前から注目していた硫黄島でマグニチュード6.3の地震が発生した点です。

偶然と考えるには、あまりに発生時間が近いため、何らかの関連性があるのではないかと懸念してしまいます。

通常、火山はその地点のみの事象で、ほかの火山には連動しないというのが定説です。ただ、火山帯の地域で地震が発生したということは、マグマが地上付近まで上昇した可能性もあり、硫黄島でも連動して噴火する可能性もあるのではないかと感じています。

万一、硫黄島でも噴火した場合、近海の海底で発生する可能性もありますし、東京とも距離が近いため、津波が懸念されるところではあります。

しかしながら、レウォトビ火山の噴火と硫黄島の地震が連動して発生したと考えるにはあまりに距離が遠すぎますし、ただの偶然だったのかなと考えてます。謎は深まるばかりですが、硫黄島での火山活動の動きについては、これからも監視体制を強めていきたいと思います。

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